第15章 時が経っても君を呼ぶ【赤葦京治】
「__ん...?」
何だろう?と思い赤葦君の方を見る
すると、整った横顔がある
うっわー、イケメンだな...
赤葦「さっきさ、バレーしてたって言ったよね?その、中学の時のポジションって何処だった?」
さっきの話で何となく分かってたけど、ポジションか...
「....セッター...か、ウィングスパイカー」
赤葦「二つ?」
「うん。その時によって変わってた。でも、基本はウィングスパイカーだったよ。レフトの」
赤葦「へぇ...俺、セッターだから、トス上げてみたいな」
そう言って"ハハハッ"と笑う
なんとも色っぽい笑い方に驚きが隠せない
「もう、上手に打てるかどうか分かんないよ...」
そう答えて照れ隠しをするので背一杯だった
その時、急にお昼前に見ていた夢のワンシーンが頭の中にフラッシュバッグする
そう言えば、あのときの男の人どっかで見たことあるなぁ...何だったっけな
そう思っていると、指の先にピリッと痛みが走る
「__ッ!」
とっさに指を見ると紙で指を切ったのか、真っ赤な血が"ツーー"と人指し指を伝う
あー、やっちゃた...いてー...
赤葦「....どうかした?___ッ!手...切ったのか」
「あー...うん」
"大丈夫だよ"と返して、鞄にティッシュと絆創膏あったかな...と思っていたとき、指先を何かが包む
「...?__赤葦君?」
赤葦「ちょっと待ってて」
赤葦君は私の怪我した部分と垂れた血をティッシュで拭き取り、ポケットから素早く絆創膏を取り出した
そして、慣れた手つきて絆創膏を指に巻いていく
締めすぎず、緩すぎず...丁度いい感じだ
え、女子力高っか
お母さんなのか?君は...
そんなことを思いながらポカーンと見ていると、赤葦君は"はい、出来た"と言って微笑んだ
一言、ひとこと言わせてくれッ!
__惚れてまうやろおぉぉッ!!
そう心の中で叫んだ