• テキストサイズ

【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第74章 月花の誘惑(石田三成/甘め)


…まったく、迦羅様は困った人です。


仕事中だと言うのにこっちまで集中出来ないじゃないですか。

そんなに可愛らしい顔で見つめられては、いくら私でも理性が持ちませんよ?




ですが今は我慢の時ですね。
貴女が家康様に恋心を持っていることは、何となく見ていてわかりますから。


とは言え、今のように私を見て頬を染めるようでは、何を勘違いしてもおかしくはありません。


迦羅様は一体、私をどのように思っているのでしょうか。


無自覚に男心を煽っているとすれば
これ程たちの悪いことはありませんが。





私は迦羅様にも、家康様にも、幸せになって欲しいとは思います。ですが…二人がくっつくことは喜ばしくありません。



生憎と私も、迦羅様に恋をしていますからね。

いえ、恋などと可愛らしいものではないのかもしれません。






「さあ、ここまででいいでしょう」

「え、もう終わったの?」

「ええ。手伝い、助かりましたよ」

「…そっか」



そんな残念そうな顔をして…
本当に私を困らせるつもりなのですか?

ずっと貴女を独り占めしていたいのですが、そうもいきません。



公私混同は良くありませんからね。

…そう言い聞かせなければ、恐らく離しては差し上げられなくなるでしょう。




「迦羅様もご自分の仕事があるでしょう。さあ戻っていいですよ」

「うん、わかった」


腰を上げた迦羅様が、軽やかに部屋から出て行きました。

ほの甘い残り香が漂い、少し寂しさを感じます。




此処を去った貴女は、その足で家康様の姿を探すのでしょうか?
私の知らない所で、家康様を想うのでしょうか?


恋の心苦しさと言うのは、このようなものなのですね…。

本当に貴女と言う人は、厄介なものを私に教えてくれましたね。





/ 509ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp