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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第67章 天邪鬼な子守唄 −終−(徳川家康)


御殿に戻って部屋の襖を閉めると
家康がとても大きなため息を吐く。


「………はぁ…」

「家康…さっきからどうしたの?」


まだ繋いだままの手をキュッと引くと
弾みで少し振り向いた家康。

一瞬目を合わせると、すぐに逸らされた。


……家康?

「また、あんたに嫌な思いさせた」

「…え?」

「二度とそんなことしないって、思ってたのに」


家康のそんな辛そうな顔を見てると
私の胸がチクチクと痛むんだよ?


ぐるりと家康の前に回って
両手で頬を包み込む。

また目を逸らそうとする家康を制し
私は真っ直ぐにその目を見つめた。


「ちゃんと見て、家康」

観念したように目を合わせると
ちょっとだけ頬を染める。


「心配かけたのは私のほうでしょ?」

「いや、でも…」

「何があっても私は絶対家康の所に帰って来るって約束するから。…そんな顔しないで…」

「迦羅…」


私だって辛いよ。
いつも心配かけて、迷惑かけて。

きっとお互いを思うからこうやって苦しくなる。

けど、それも半分こしていかなきゃ。
私と…家康と二人で。




見つめ合っていると、やっと家康が微笑んだ。

「…わかった。でももうひとつ約束して」

「もうひとつ?」


すっ、と家康の腕が腰に回り
もう片方の手が太腿の辺りを撫でる。

「ちょ…何っ?」

「俺以外の男に、触らせちゃ駄目」

「あれは別に……触らせた訳じゃ…!」


ぐっと腰を引かれて密着する身体。
間近にかかる家康の吐息。
そして、撫でるのを止めない手。

「触られて、嫌だった?」

「あんなの、嫌に決まってるでしょ!」

「…良かった。じゃあ俺が、拭ってあげる」

「え…?……んん…っ!」



いつもより強く塞がれる唇—。

抱かれる腕に力がこもって、家康がどれだけ愛してくれているのか…痛いくらいに感じる。


私も同じだよって伝えたくて
家康と同じくらい、抱きしめ返した。

与えられる口付けに身体の力が抜け始めた頃—




「家康様」

襖の向こうから女中さんの声。

「どうしたの?」

「夕餉はお済みですか?まだでしたら…」

「疲れてるから、俺も迦羅ももう寝る」

「そうですか、失礼致します」

「ふふっ」

「何笑ってるの?ほら、もう邪魔入らないから、続き」

「…うん」







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