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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第66章 天邪鬼な子守唄 −6−(徳川家康)



「はぁ……」


小汚いあばら屋に連れて来られた私は、手足を紐で括られて、満足に身動きが取れなかった。

男たちは酒を呑み、今川がどうの織田がどうのって話をしている。


そんなことどうだっていいけど
今頃、心配してるよね…家康。


「おい女!!お前、家康なんてあんな男の何処が良くて惚れてんだ?」

「…はい?」

「ツラか?あっちのほうか?」


酔っているのか、良くわからない話を私に振る。
そんなこと聞いてどうするのよ…!!


「そんなことあなたたちには関係な…っ」

「まぁどうでもいいけどよ」


……いいなら聞かないで!




そうして男たちは私を放ったまま
またお酒を呑み続けた。


この緊張感の無い人質としての扱い。
この紐さえ解けたら、逃げられるかも…



私は男たちに気付かれないように
後ろに括られた手で、足首の紐を探った。

…あ、いけるかも…!


「それはそうと、折角の女なのに手出さねぇなんてお前に失礼だよな」

「え!?いえ、結構ですっ!」


突然思い出したようにこちらに向かって来た男は、ニヤリと笑うと私の髪をすーっと梳いた。

「たまには他所の男ってのも悪くねぇぜ」

「触らないで下さい…っ!」


ぐっと近付けられた口からお酒の匂いが漂う。

「やだっ……やめて!」

「あいつが来るまでのお愉しみだろ?」


男の手が着物の襟にかけられた時
足首の紐がようやく解けた。


同時に押し倒されけど、勢い良くその身体を蹴飛ばし、慌てて戸に向かう。

「…っこの女!待て!!」

「おい、逃がすな!」


括られた手では上手く戸が開けられず
奥から駆け寄って来た別の男に捕まった。


「へへっ、男を甘く見るんじゃねーぞ」


いよいよ床に組み敷かれ、着物の裾から手が入り込んで……


「いやっ!やめて…っ…!!」


嫌だよ…!

早く来て家康っ——!





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