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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第64章 天邪鬼な子守唄 −4−(徳川家康)


私の膝に乗る家康の頭。
そのふわふわな猫っ毛をそっと撫でる。

本当、猫みたいで気持ちいい。


天井を向いて横になる家康は
私に撫でられると、すうっと目を細めた。


「くすぐったい?」

「…いいよ、そのままで」


今にも眠ってしまいそうな家康。疲れてるなら、今は少し休んでいいんだよ。


反対の手で胸の辺りをポンポンと規則的に優しく叩くと、家康はちょっとだけ赤い顔をして私を睨む。


「子供扱いしてる?」

「そうじゃないよ。眠たそうだから」

「寝かしつけないでよね。起きられなくなる」

「いいよ?起こしてあげるから」


閉じそうで閉じない家康の瞼。

睡魔と戦ってるところも、何だか可愛い。




と、胸をポンポンする私の手を家康が握る。

「駄目…本当に寝ちゃうから」

「我慢しなくていいのに」


触れる家康の手がとても温かくて、子供みたいだなって思った。
そうは言わないけどね、怒るから。



「ねぇ、決めたの?明日のこと」

「私ね、またあの野原に行きたいの」

「‥あんな所でいいわけ?」

「うん。晴れてたら、もう一回家康とあの景色が見たいなと思ったの。ダメかな?」

「いいよ。降らないといいね、雨……」


そう言った家康は、ゆっくりと瞼を閉じたー。




いつも頑張ってくれてありがとう。

安土の為に、この時代に生きる皆の為に、一所懸命働いてくれてるんだよね。

それに…こうして私の側に居てくれて
本当にありがとう、家康。











それから三十分くらい経った頃
部屋の前でひとつの足音が止まる。


「迦羅?家康知らねぇか?」

襖を開けたのは政宗。

私の膝で眠る家康を見つけ、ふっと笑った。


(間も無く会議だ、起こしてくれよ)


小さな声で言うと、静かに襖を閉めて去った。




「家康、時間だよ」

「うん……」

優しく身体を揺さぶると、すぐに目を覚ました家康は、まだ眠たそうな顔で起き上がる。


「今日は遅くなりそうだから…」

「じゃあ私は先に帰ってるね」

「いや、終わるまで待ってて。寝てたっていいから、此処に居て」

「え?うん、わかった」


返事を聞いた家康は満足そうに微笑み、目を擦りながら部屋を出て行った。



一緒に帰りたいのかな?
待ってろって言うなら、ここで待ってるね。





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