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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第63章 天邪鬼な子守唄 −3−(徳川家康)


ー翌日ー



迦羅と揃って御殿を出て、いつものように城に向かってる。

この当たり前になった日常が
当たり前に幸せだと思った。


毎日繰り返しても、飽きることなんか無い。

この子が側に居るから、だけどね。


「俺、明日は休みなんだ」

「そうなの?久しぶりに休めるんだね」

「行きたい所、ある?」

「え?うーん……」


たまにしか無い休みなんだから、あんたとの思い出、たくさん作りたいんだ。

あんたが行きたい所なら
何処にだって、連れて行ってあげる。


だけど、迦羅の口からはなかなか行き先が出て来ない。

まぁ急に言われても困るか…。


「ちゃんと、考えといてよ」

「うん!」


あんたのその笑顔見てると、今日も明日も明後日も、頑張ろうと思えるから…不思議。








……………………………………………





「おい、見たか」

「ああ。久しぶりに見るツラだが間違い無い」

「織田と同盟を組んで今やのうのうとしてやがる…前の奴等はドジ踏んだようだが、今度はそうは行かねぇ」

「しかしよ、織田がついてんだろ?」

「馬鹿か。戦しようってんじゃねぇんだ」

「お、そうだったな。個人的な怨みってやつか」

「どうやら餌も、見つかったようだしな…」

「へへっ、違いねぇや」



酷く淀んだ目が見つめる先には
家康の傍に在る、幸せそのもの。


薄気味の悪い笑みを浮かべた男たちは
家康と迦羅の後ろ姿を
その視界から消えるまで眺め続けていた。




季節と共に流れる二人の穏やかな日常の陰に

大きな雨雲がその音を消して

確かに、忍び寄っていたー。










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