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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第62章 天邪鬼な子守唄 −2−(徳川家康)



ー満点の星空の下、しっかりと手を繋いだ二人。



「ねぇ見て!すごく綺麗だよ」

「うん、そうだね」

「こんなに綺麗な星空、見たこと無いかも」

「うん…俺も」


今日の家康は何だかすごく素直で、新鮮な感じって言うのか、何となく胸がきゅんとする…。

繋いだ手をそっと握ってみると
ちゃんと握り返してくれる。


それだけのことがすごく愛おしくて、家康の横顔を眺めながら、頬が緩んだ。



「何?」

視線に気付いた家康が私を見て、ちょっとだけ顔を赤くする。

「何か、やけに素直だなーと思って」

「…別に、普通でしょ」

「そうかなぁ?」


これが皆の言う、私にしか見せない顔…だったらいいな。


再び星空に目を向けると、足を止めた家康に一歩後ろから引かれるような形で身体が蹌踉めく。

「わっ……!」

それをしっかりと抱き留めてくれる家康。

すっぽりと胸に収まった私の頭を抱え、少しの間沈黙が過ぎる。



「な、な、な、何?」

「俺…あんたの前では素直になりたいんだ」

「え?」

「俺の全部、あんたにわかって欲しいから」


家康……。



「楽しいのも嬉しいのも、悲しくて泣きたい時だって、あんたと一緒なら幸せだから」

「うん…そうだね」

家康からそんな風に言ってくれるなんて。
それだけでも、私は幸せだよ?家康。


嬉しくて家康に微笑むと、何故か少しだけむっとした顔をされる。


「??」

「ねぇ。その顔、やめてくれない?」

「どの顔?」

「だからそう言う、俺のこと、好きで好きで堪んないって顔」


むっとしながらも赤いままの家康。

やめろって言われたって、そんなの無理に決まってるでしょ?



「ふふっ、やめてあげない!」

「それじゃ困るんだけど」

「どうして家康が困るの?」


そう聞いた途端、両方の頬を挟まれて…
私の好きな、家康の甘やかすような口付けがひとつ、落とされるー。


「……きゅ、急にそんなのっ!」

「嫌なら、その顔やめなよ」


まだ至近距離にある家康の唇。

…やめられるわけ無いもん。
こんなに家康のこと、大好きなんだから。


「やめないなら…俺もやめない」

「あ……んっ………」



人気の無い城下の通り。

甘やかな口付けは、さっきよりも長く…私の胸の奥を家康で一杯にした。








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