第59章 戦国狂想曲3幕②(家康ルート)
「ほら、早く飲みなよ」
「う、うん……」
「それとも何、俺に飲ませて欲しい?」
「えっ!?」
…またそう言う顔する。
だから俺は意地悪したくなるんだけど、わかってんのかな。
「ひ、一人で飲めるから大丈夫!」
覚悟を決めた迦羅は溶かした薬を一気に飲み干す。
そしてまたさっきみたいに噎せくり返った。
「ううっ……ゲホッ、ゲホッ」
「毒じゃ無いんだから、大袈裟」
「家康も飲んでみたらわかるよー!」
涙目になりながら訴えるあんたが…
すごく、すごく可愛くて仕方ないー。
「…じゃあ、味見してあげる」
ーチュッ
あー…これは本当に苦いかも。
ちゃんと、俺の愛情入れたんだけどな。
僅かに唇を離せば、真っ赤に染まった迦羅と目が合う。
「…何て顔してるの」
「だ、だ、だ、だって…!」
「顔赤いけど、熱出て来たんじゃない?」
「熱なんかっ…」
両手で頬を挟んで、おでことおでこをくっつけてみると、やっぱりちょっと熱い。
本当に熱、出て来たのかな。
「い、家康っ…大丈夫だからもう…」
「ちゃんと治さないと、駄目」
「……こんなにくっついてたら治らないよ」
「どうして?」
「家康のせいで、ドキドキしてるのに」
そう。なら良かった。
その熱が、俺に浮かされてるだけならね。
でも、離してあげるつもりは無いんだ。
「ねぇ。…こっち、見て」
もっとあんたの可愛い顔、ちゃんと見たい。
俺のせいで、あんたがどんなに可愛くなるのか、もっと見せてよ。
「家康…」
「好きなんでしょ?俺のこと」
「うん、好き」
「だったら、もっとしてもいいでしょ」
「あ…っ、……んん…」
二回目の口付けも最初はやっぱり苦くて…
でも、もう苦くないでしょ?
こんなに俺が、甘やかしてあげるんだから。
薬なんかよりよっぽど
効くと思うけど?