第58章 戦国狂想曲3幕①(政宗ルート)
まだ濡れた髪を耳に掛けてやり
露わになった赤い耳をやんわりと食む。
「んぁ…っ……」
漏らす声が恥ずかしいのか、咄嗟に手で口元を覆う迦羅。
「聞かせろよ、お前の声」
「や、だっ……ああっ…」
…今更嫌だなんて言わせるかよ。
やっとお前が俺のものになったんだからな。
腹の前で組んだ手を解き、器用に迦羅の身体を横抱きに胡座の上に乗せる。
「政宗……」
「本気で嫌ならやめるぜ?」
「…………っ!」
いや、本当はやめる気はねーけどな。
お前が実は嫌がってなんかいねぇってこと
一応確認しとかなきゃな。
少しだけ睫毛を伏せた迦羅は、伺うようにチラリと俺を見る。
その目はまだ濡れたままで、どうしようも無く俺の情欲を掻き立てるんだ。
「ほら、どうすんだよ?」
「……それは…」
「ちゃんと言わなきゃわかんねーだろ」
ここでやめるなんて言うなよ?
生殺しはごめんだからな。
祈るような気持ちで返事を待っていると、言葉より先に迦羅が思い切り首元に抱き付いて来た。
「どうした?」
トクン、トクン、トクンー。
平静を装うのも楽じゃない。
誰かが愛しくて欲しくてこんなに胸が苦しくなるなんて、初めて知ったよ。
「政宗…ちゃんと、優しくしてくれる?」
「俺はいつだって優しいだろ」
「………そうかなぁ」
「ほら、いい加減顔見せろよ」
目と目が合えば、また激しい恋が始まる。
通い合った心と同様にして、その身もまたひとつになりたいと願う。
「今日からお前を、ますます俺に惚れさせてやるからな。覚悟しろよ」
「ふふっ。……うん」
愛らしい笑顔に触発された胸の奥はもう我慢の限界だった。
一瞬のうちに迦羅を組み伏せ
両方の手首を縫い留めるー。
「政宗っ…待って!優しくしてって…」
「残念だが、待ては昨日までだ」
外は雨だ。
俺も休みで時間はたっぷり有る。
疲れ果てるまで抱かれる覚悟、決めろよ?
完