第58章 戦国狂想曲3幕①(政宗ルート)
「で、話って?」
聞かなくたって何の話かわかるけどな。
こう言ってやらねーと、お前話しずらいだろ。
「うん…。昨日の返事がしたくて」
「で、俺のものになる気になったか?」
「うん」
「ははっ、随分即答だな」
「だって私、政宗のこと好きだったから…。昨日政宗の気持ちを聞いて、すごく嬉しかったの」
お前の口から〝好き〟って言葉を聞いただけで、俺はこんなに舞い上がってる。
照れくさそうな笑顔を見れば
お前が嘘なんかついてねぇのはわかるしな。
だが……
「だったら何で昨日は拒んだんだよ」
「あ、あれはっ…急にあんなことするから!」
「あれ実は結構傷付いたんだぜ?」
「ご…ごめん」
茶化すつもりで言ってみたんだが、真っ赤になりながら謝るお前がまた可愛くてな。
「今日からは堂々と、お前に手ぇ出せるんだな」
「何でそういう言い方……」
「お前がそんなに可愛いのが悪いんだろ」
「…っ!?」
頭の後ろに手を回してグッと引けば、昨日と同じ距離にお前の唇…。
俺の言葉ひとつで
俺が触れるだけで
お前が素直に反応するから、悪いんだぜ?
「ま、政宗…」
「ちょっと黙ってろよ」
「あ……っ」
初めて塞ぐお前の唇、すげぇ柔らかいんだな。
濡れた髪から甘い女の匂いがして…
あー…これは俺が駄目になるやつだな。
「んんっ……!」
力の抜けて来た迦羅がそれを支えるように、俺の胸に両手を着く。
着物越しだがお前が俺に触れてると思うだけで、俺はどんどん熱くなって来るんだよ。
男ってのはどうしようもねーな。
舌を絡ませながら、胸に有る迦羅の手首を掴んで引っ張ると、反動で迦羅の身体は俺の胸にピタリとくっついた。
もう逃さねーからな。
腰に腕を回してきつく抱けば
お前の手が背中の着物をギュッと掴む。
「…っん、……はぁ…っ……」
顔が見たくてようやく離した唇からは、妙に色っぽい乱れた息が漏れる。
俺を見つめる目が堪らなく濡れている。
「…迦羅」
再び口付けを繰り返そうとするが
「もうひとつ…聞いてくれる?」
「何だよ、今じゃなきゃ駄目なのかよ」
「うん、駄目」
しょうがねぇな…。聞いてやるか。