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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第57章 戦国狂想曲3幕(家康VS政宗/共通)


ー翌日ー

どんよりと曇っている空は、今にも雨を降らせそうな模様だった。

「はぁ、嫌なお天気」

湿気が多くジメジメとしていて、喉が渇いた私はお水を飲みに台所へ向かう。


誰も居ない台所で喉を潤していると入り口から物音が聞こえた。


「ん?迦羅か?」

「あ、政宗」

どうやら政宗もお水を飲みに来たみたい。
ぐっと一杯の水を飲み干すと、口元を拭う。


「なぁ、昨日は悪かったな」

「え?ああ、尾行のこと?」

あの時のことを思い出すと何だか可笑しくて、つい笑ってしまった。

「何笑ってんだよ、あの後散々秀吉に説教くったんだぞ」

「ふふっ、それは大変だったね」

「お前、怒ってねーのか?」

「だって、私のことを心配して後をつけていたんでしょう?」


三成くんからちゃんと聞いてるからね。
後をつけてた理由も、色々…。

そう、色々聞いてるから、何となくまともに政宗の顔が見られない。


「あの佐助って奴、ただの友達なのか?」

「うん、そうだよ」

「…そうか」


そこから黙った政宗の様子が気になって顔を上げると、とても真剣な目に捕らえられた。

ー!!?

それだけでもう、心臓が変な音を立て始める。


一歩にじり寄って来る政宗に、自然と私は一歩下がる。

後ろの作業台に行く手を阻まれた私に、尚も政宗は一歩進んで、そして作業台にドンッと両手を着いた。


作業台と政宗の身体とに挟まれるようにして、身動きの取れない私はただ政宗を見つめるしかない。


「ま、政宗…」

「なぁ。俺だけ見てりゃいいんじゃねーか」

「え?」

「俺はとっくにお前しか見えてねぇんだよ」


妖しいくらい光る藍色の瞳。
身体の脇に置かれた腕、触れ合う着物の胸元。


「お前、俺のこと嫌いなのかよ」

「嫌いだなんてそんなっ…」

「だったら、大人しく俺のものになれよ。迦羅」


にこりともせず私を見つめ続ける政宗。
顎にかけられた手からも逃げることが出来ない…。

端整な顔が間近に迫ってー



「ま、待って!!」

「何だよ…やっぱ嫌なのか?」

「嫌って言うか、急にはそんな…」


顎にかけた手を離しながら、政宗がふっと笑う。

「もうちょいだったのにな。まあいい。待ってるぜ、いい返事」


そう言って片手を振り、政宗は出て行ったー。





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