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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第54章 戦国狂想曲2幕(秀吉VS光秀/共通)


「面倒なことになっているようだな」

何処か愉快そうに笑う信長に、秀吉と光秀はひとつ息を吐く。


「笑いごとじゃ、ないんじゃないですか」

「…迦羅様、怒っているのに何だか悲しそうでしたね」

「どうやら迦羅だけを責める訳にはいかねーんじゃねぇか?」

政宗の言葉に二人は何も言わなかった。


そして武将たちは次々と広間を去り
動かぬ秀吉と光秀のみがその場に残ったー。





…………………………………



暫しの沈黙を経て、やがて二人が同時にため息を吐く。

「迦羅の話を聞いてやらなかったのか?」

「お前も同じだ。急ぐと言って聞いてやらなかったのだろう?」

「………」

「………」

「迦羅を助けてくれて、ありがとな」

「何故お前が礼を言うのだ。俺は俺の為に迦羅を助けただけだ」

「お前の為?…どう言う意味だ」

「お前こそどうなのだ。昨日助けてやったのは、親切心だけではない筈だが」

「だったら何だ。迦羅は俺にとって大事な女だ」

「ふっ。どうやら俺とお前と、妙なところが似ているらしい」

「光秀、お前も…」




秀吉の言葉を遮り先に立ち上がった光秀は、広間を出ようとする。


「何処へ行く?」

「迦羅のところだ。今日のことを詫びなければならないだろう?」

「…確かにそうだな、悪いことをした」

「ついでに愛の言葉のひとつも囁いてやろう」

「何っ!?」


光秀の冗談とも本気とも取れる言葉に
秀吉は即座に反応する。

勢い良く立ち上がった秀吉は、光秀の横を通り過ぎ広間を出ようとするが、それを制された。


「待て待て、何処へ行く」

「お前に先を越されてたまるか!」

「いや駄目だ。俺が行くと決まったのだ」

「何を勝手なことを…お前みたいな性悪狐に迦羅を渡せるか」

「それはこちらの言うことだ。秀吉、お前のような温いだけの男に迦羅は預けられん」





話がいつの間にかすり替わっているが、当の二人は実に真剣だった。

ふざけているつもりは無い。





互いに譲ることのない膠着状態が続く。

さて、この可笑しな勝負は一体どちらに軍配が上がったのか………。












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