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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第50章 三色の秘薬(家康・光秀・佐助/微甘)


薬草摘みを終え御殿近くの通りまで戻って来た。

「手伝ってくれて、ありがとう」

「あ…どういたしまして」


…ありがとうなんて、良く出て来たよ。
でも、手伝ってくれたわけだし。


「じゃあ私は帰るね」

迦羅が俺の持つカゴから薊を取ろうとした時、その棘を刺してしまったみたい。

「ーーっつ!!」

刺さったままなのか、じっと指を見ている。
俺は咄嗟に迦羅の着物の袖を引っ張って歩き出した。


「来なよ」

「え、何処に??」



迦羅を御殿に連れて行き
障子窓から射し込む明るい光の中
その手を取って指先を見る。


「これくらい平気だよ」

「駄目。棘刺さったままじゃ、何するにもひどいでしょ」

「あ、…うん」

「良く見えないな」


小さな棘があるみたいだけど…。

ちゃんと取ってあげなきゃいけないと思い、机の引き出しから眼鏡を取り出した。
それをかけて再び迦羅の指先に視線を落とすけど、やけに静かな迦羅の様子が気になった。


ふと視線を上げると、何だか知らないけど顔を赤くした迦羅と目が合う。


「あの、家康…」

「ねぇ、針持ってる?」

「あ、ちょっと待って」


小さな入れ物から取り出された一本の針を受け取り、指先の小さな小さな棘を抜いてあげる。


「ほら、終わり」

「………」

「ねぇ聞いてるの?」


この子何なのかな、さっきから。
勝手に赤くなってるし、急に黙るし。



「そう言う顔、やめてくれる」

「ご、ごめん!」

「何なの?さっきから」

「いや、家康が眼鏡かけてるの…初めて見たから」

「眼鏡?こんなの、別に変わらないでしょ」



ふーん、そう言うこと。
確かにあんたの前で眼鏡なんかしたこと無いけど。

別に珍しいものじゃないでしょ。
やっぱり変な子。



「これ。また棘刺さないように気を付けて持っていきなよね」

「あ…うん、どうもありがとう」


薊の花を受け取った迦羅は、部屋を出て行く。




ふう。
眼鏡くらいであんな顔されたんじゃ…。

普段の俺にはあんな顔見せないくせに。
眼鏡がそんなにいいわけ?
何か、面白くない。


いや別に、どうでもいいけど…。





あれ、これ忘れて行ったの?







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