第49章 華〜hana〜(織田信長/裏甘)
「…迦羅」
「信長様…」
こうして信長様に見つめられて
名前を呼ばれるだけでも
心が満たされていく気がした。
「愛している、迦羅」
それに…今日は何だか信長様が一際優しくて…。
見つめられる目も、髪を梳く手も何もかも。
そして、顎にかかる手まで。
「あっ……」
いつもと違う啄むような柔らかい口付け。
割り込んで来る舌も、淡く溶かすみたいに…
「ん……、んっ」
口付けの間、頬に添えられる大きな手。
たったそれだけで、胸のドキドキが止まらなくて、全身の熱が一気に上がっていく。
わざとらしく音を立てて離される唇。
そして目を開けると、いつもみたいに悪戯っぽい笑みを浮かべている信長様。
「の…ぶなが様…」
「綺麗だな、迦羅」
「…なっ、何で、そんなこと…」
「何故?そう思うから言うのだ。貴様はこんなにも愛らしく美しい」
もう…私、信長様には敵わないな…。
頬にますます熱くなっていく感覚を覚えながら、首筋に降りて来る信長様の唇の柔らかさを感じた。
ーチュッ、チュッ
首筋に鎖骨に、ひとつ口付けを落とされる度におかしいくらい身体が反応して…恥ずかしいのに、抑えられない吐息が漏れる。
「はぁっ…!んあぁ」
口付けを落としていく間にも、信長様の手が帯を解き、薄い夜着をはだけさせていく。
身体の側面を撫でる温かな手に刺激され、ビクリと腰が跳ねる。
太腿まで降りた手が再び上へのぼり
露わになる胸の辺りを包んだ。
「あっ…の、信長…様っ」
胸の上を濡れた舌が這うと、そこはすぐ敏感に反応した。
自分でもわかるくらいに…。
「やっ、ああ…!信長、様ぁ」
「…そんなに名を呼ばれては、俺もおかしくなる」
顔を上げた信長様がすごく愛しくて
その整った顔を両手で包み込んだ。
「信長様……好き…」
今はそう伝えるのが精一杯で…。
でも、満足そうに微笑みながら、身を乗り出した信長様の顔が近付き…
「俺も負けぬほど…貴様が好きだ」
また、優しい口付けを受け止めた。
愛しくて愛しくて仕方なくって
もっと愛して欲しいと思う心と身体は、もう抑制が効かないみたいー。