• テキストサイズ

【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第48章 恋の忍びに御用心(猿飛佐助/甘め)


ー翌日。



はぁ。今日は迦羅さんに逢えないのか。

自室で悠々とお茶を飲みながら、ふと頭に浮かぶのは昨日見たばかりの迦羅さんの笑顔。




この頃はこうして暇さえあれば同じことを考えている。

これが恋と言うものなんだね。
今まで知らなかった、淡い恋。





ーガラッ



「よくも優雅に茶なんか飲んでられるな」


難しい顔で入って来た幸村は、何だかご機嫌斜めのようだ。
ドカッと腰を下ろすと、面白くなさそうに俺を見る。


「お前のせいで全身カチコチじゃねーかよ」

「それは謙信様に言ってくれないか」

「誰のせいで朝まで付き合うことになったんだよ」

「まあまあ」



幸村をなだめすかしていると、今度は信玄様がやって来た。


「俺も混ぜてくれないか」

「どうぞ、お茶を淹れますよ」

「珍しいな、どうしたんです?」

「いやー、若い諸君の話を聞きたいと思ってね」

「はぁ?」



艶のある大人の色気ー。

俺もこうなったほうがいいんだろうか?
いや、この人は数え切れない程の女性を相手にしてきた人だ。
俺にはハードルが高過ぎる。




「ところで佐助」

「はい?」

「最近やけに安土に通っているようだが、何かあったか?」

「…いえ、敵情視察と言うやつですよ」

さらりと返してみても、信玄様の心は騙せそうにない。

「姫は元気か?」

「はい、それはもう相変わらずに」

「やはり姫に逢いに行っているんだな」

「………」


俺としたことが。
何をしれっと答えてしまったんだ。



「何も隠すことじゃない。恋だの愛だのってのは、素晴らしいものじゃないか」

「そうですね、そう思います」


そんな話を始めた途端、幸村が赤い顔をして腰を上げた。

「お、俺用事を思い出した」

そそくさと部屋を出て行く幸村に、信玄様は困ったようにため息を吐く。




「あいつも早くわかる日が来るといいが」

「大丈夫ですよ、俺にもわかる日が来たんですから」

「ふっ、そうだな」



それから信玄様の恋愛指南が始まったけれど
どれもこれも俺には到底こなせそうもない、あんなことやこんなことばかりで、あまり為にはならなかった。


…でもいつか、俺も迦羅さんと…。




/ 509ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp