第41章 戀−koi−(豊臣秀吉/甘々)
いつもと変わらない城下。
賑やかで活気があって。
「今日は悪かったな。本当は少し遠出しようと思ってたんだ」
隣から頭を優しく撫でる秀吉さん。
気にしてないって言ったら嘘になるけど…
ちゃんとわかってるから、大丈夫。
「いいよ!また次の楽しみが出来たから」
「ほんとにお前は…」
「ん?」
「可愛い奴だなっ♪」
「わっ!」
通りの真ん中にも関わらず、私をギューっと抱きしめて頭をわしゃわしゃと乱す秀吉さん。
「ちょ、ちょっとー!」
うわぁ…人に見られてるよ〜!
でもこうして秀吉さんが触れてくれるのがすごく嬉しい。
いっつもドキドキして…
理性がどっかいっちゃいそうなくらい…。
「…迦羅」
どうしてこんなに好きなんだろう。
「迦羅?」
胸元に頬を摺り寄せて甘い香りに埋もれる。
あー…大好き、秀吉さん。
「おーい、そろそろ人目が気になるぞー」
「えっ?」
顔を上げると、あちらこちらから刺さる視線ー。
わっ、恥ずかしい…
慌てて秀吉さんから離れると、一気に頬がかぁっと熱くなっていった。
「ごめんなさい、つい…!」
「ははっ、ほら行くぞ」
ってゆうか秀吉さんが先に戯れついてきたのにー!
そしてまた大きな手が私の手をしっかりと握って、人通りの中を歩いて行った。
こんな何でもない時間でも
私は秀吉さんと一緒に居るだけでいいの。
秀吉さんに甘やかされる度に
また一つ幸せになっていくから。