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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第35章 春麗らかな君と(石田三成/微裏)


陽が暮れた空に無数の星が灯り始めた頃ー




「気を付けて下さい」

「うん」

私は迦羅様を連れて、湖の近くまで来ています。

蛍の話をしたら、迦羅様は見たいと喜んで
そのあまりの可愛らしさに連れ去ってきてしまいました。

あ…勿論、黙って、ではないですからね。
安心して下さい。


少し歩くと、所々に点々と淡い光が見えてきました。
薄暗い中、幻想的な灯りに溢れかえって…

「綺麗…」

「ええ、本当に」

私も初めて見ました。ここまで一面に広がる蛍の光は。

「もしかしたら、私たちのために光っているのかもしれませんね」

「ん?」

「迦羅様を喜ばせるために」

「ふふっ、だったら嬉しいな」


そう言って顔を綻ばせるあなたは、本当に可愛らしい。
だからこそそう思うのです。



繋いだままの手。

「今日はありがとう。素敵だね」

癒すように甘い声。

可愛くて、愛しくて…
触れたらもう離したくはなくて。



たまには私も、私の中に在る欲望のままに、動いてみても良いのでしょうか…?


繋いだ手を離すと、迦羅様は驚いたように振り向き、寂しそうな顔をしました。

あ、そんな顔をしないで下さい。
手を離したのは……




腰をグイッと引き寄せて、私の中にしっかりと閉じ込めた。

私の鎖骨のあたりに耳を寄せる形で
こんなにも愛しい迦羅様が側にいる。

トクントクントクントクン

「迦羅様…」

「三成、くん…」

勝手に速まっていく心音に後押しされて
触れたくて堪らない唇を奪う。


「んん…っ……っふ」


耳に入る甘美な吐息におかしくなってしまいそう…。

好きです…迦羅様…

この唇も離したくはありません。
私が抱く腰も、華奢な肩も、白い肌も

もっと全部、私だけのものにしてしまいたい。



息苦しさで胸を叩く迦羅様。

「ん、はぁ…はぁっっ、はぁ…」

「まだ…足りない…」

「み、三成く…ん?」

そんなに乱れた息で、呼ばないで下さい。
最早私は、理性を繋ぎ止めておくだけで精一杯なのです。


「…まだ、帰らないよね?」

首に抱きついた迦羅様にそんなことを問われたら…


もちろん帰りません。
元々帰すつもりはありませんでしたし…ね。










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