第35章 春麗らかな君と(石田三成/微裏)
「なーんか二人の世界だな」
「上手くやってるんだ、いいことじゃないか」
「勝手にやってればいいよ」
「お、家康。妬いてんのか?」
「なっ…違いますから」
「強がらなくたっていいって!」
「…放っといて下さい」
「まあまあお前たち、仲良くやれ」
秀吉、政宗、家康のやり取りなんかどこ吹く風。
三成は晴天の下、愛しい迦羅との時間を楽しんでいた。
「迦羅様、私にはどうも上手く出来ないようです」
「うん…なんか芸術的だね」
「そうですか?そんなに褒めて頂けるとは」
「ふふっ、三成くんらしいよ」
実は今、シロツメクサの花冠を教えて頂いてるのです。
見れば見る程私と迦羅様の作るものが違い過ぎて。
「ほら出来た!」
そう言って、迦羅様は完成した花冠を私の頭に乗せました。
「私には似合わないのでは?」
「三成くんって、本当に天使みたい」
「いいえ、私ではなく迦羅様がですよ」
花冠を取ってその頭に乗せてあげると
私ははっと息を呑むー
こんなにもたくさんの花がある中で
まるで迦羅様こそが可憐な花のように見えるのです。
「似合うかな?」
「ええ、とても可愛らしいです」
「…ありがとう」
ぽっ、と頬を染めて照れる顔。
柔らかな微笑みに心から癒されます。
こんな時間がいつまでも続けばいい。
いつまでもあなたの隣で、こうして…。