第34章 琥珀色の蜜事（明智光秀／裏）

「…んふ、っ…ん」

深く侵入した光秀さんの舌に絡め取られ、満足に呼吸が出来ない。
僅かな隙間から漏れる自分の吐息が耳に入ると、ひどく羞恥を覚える。

チュッ…

ようやく離れたお互いの唇から
荒く乱れた呼吸が聞こえる。


光秀さんは…また私の目をじっと見つめる。

「あんまり…見ないでっ…」

その目に見られると、心も身体も
全部見透かされる感覚がしてクラクラするの。


光秀さんの首筋に顔を埋めれば、そこにはまた程良い甘い匂いが漂って…

「それでは身がもたないぞ」

私の耳に唇を当てて、光秀さんの甘く掠れた声が刺さる。

わざとらしく吐息をかけられ
それだけで、身体の奥が疼いていくー。




「お前のすべてが欲しい」


太腿の裏を撫で上げた手がそこへ辿り着く。

「あんっっ…！」

「どうした？此処をこんなにして」

まだ耳元で囁いている光秀さんの手の熱が、私の中へと入り込んでくる。

「やっ…あぁ、あっ」

「嫌？嘘をつけ、お前の身体はそうは言っていない」


そう、光秀さんの言う通りだよ。
少しも…嫌だなんて思ってはいないから。





合わせが乱れた浴衣の懐から、鎖骨の上を光秀さんの舌が這う。

時々そこを吸い上げては、次第に唇が下へと降りていく。

刺激を受け止めながら、前屈みになっていた身体を起こす。
露わになった胸元を探るように
熱くて堪らない光秀さんの舌に弄ばれた。


溢れて止まらない蜜が、自分でも良くわかる。


光秀さんの右手は私の奥へと快感を与え
左手は背中を撫で上げて
唇と舌が胸元を敏感にしていく…。

「あん、あっ…光秀、さん」

私もう…だめかもっ…


光秀さんの着物をギュッと握ると
また、光秀さんの視線に捕まった。


「いい、耐えるな…」


僅かに息を上げている光秀さんに優しくそう言われると、気持ち良さが一気に駆け上がってきて…


「んあぁっーーっあぁ！」


光秀さんの首に思い切り抱きついたまま
私の奥に達している指で、快感が突き抜けたー