第34章 琥珀色の蜜事(明智光秀/裏)
はぁー…気持ちいい。
少し熱めの温泉で疲れをとる。
まぁ、確かに私は寝てただけなんだけど。
それにしても光秀さんが温泉に連れて来てくれるとは思わなかったなぁ。
多分、領地視察のついでなんだろうけどね。
光秀さん、何て言いかけたんだろう?
(今夜は……)
こ、今夜なんて言うから余計に気になっちゃうよ…
温泉と、光秀さんとの夜ー
のぼせ上がりそうな頭を必死に引き留めた。
離れへ戻ると、すでに光秀さんは戻っていて、布団の上で胡座をかきながら目を閉じていた。
そっと側へ寄る。
「光秀さん?」
声をかけても返事はない。
何でこの状況で寝るかなぁ…
私はこんなにドキドキしてるのに、寂しいかも。
でも、ここまで馬を走らせて来たから、疲れちゃったんだよね。
せめて横になればいいのに。
「……」
目を閉じる綺麗な顔を見ていたら
堪らなく触れたくなってしまった。
そっと手を伸ばして、サラサラの髪を梳いてみる。
「…好きです、光秀さん」
ぽつりと呟くと突然、髪に伸ばしていた手首を掴まれる。
「ー!?」
「今のは誘い文句と取っていいのか?」
「なっ…寝たふりしてたんですか!?」
「お前がどんな顔をするかと思っただけだ」
「ひ、ひどい!」
「そう拗ねるな」
薄笑いを浮かべた光秀さんに器用に抱き上げられ、その膝の上に向かい合わせの格好で座る。
「…っっ!」
急に近付いた距離に、一気に心臓が鳴った。
目の前にある睫毛の長い切れ長の目に見つめられ、抵抗するのも忘れていた。
…違う、きっと最初から抵抗するつもりなんかないの。
光秀さんは私の目から視線を外さないまま
はしたなくはだけた浴衣の間から足に手を這わせる。
「あっ…っ」
今度はもう片方の手で、浴衣の襟元をぐっと広げた。
火照っていく顔を隠したくて逃げ場を探すけど、頭の後ろを引き寄せられて額がくっつく。
「んあっ、…あっ」
足を撫でる手は止まることなく肌を刺激している。
「我慢するな、せっかくの離れだろう」
「え…」
「いくらお前が啼こうが誰にも聞こえはしない」
「で、でもっ…」
「お前の可愛い声を聞かせろ」
「んん…あぁ、っ」
唇に噛み付くような口付けを落とされ、舌が割り込み、光秀さんの熱い吐息がかかってー