第4章 嘘の代償(豊臣秀吉/甘め)
陽が昇り始め、小鳥のさえずりが聞こえてくる。
いつの間にか眠ってしまったようで、私の手は縫いかけの着物を掴んでいた。
身支度を整え、ぼーっとする頭を覚まそうとお茶を淹れる。
ふと、昨日のことが頭をよぎった。
私は自分勝手に秀吉さんへの想いをどこにぶつけていいのかわからなくなって、勝手に不安になって、勝手に秀吉さんに八つ当たりして…。
頭で考えることが追いつかなくなって、咄嗟にあんな態度をとってしまったんだ。
秀吉さんはただ、私の心配をしてくれただけだったのに。
やっぱり私は子供と同じなのだと思った。
ちゃんと、昨日のことを謝りに行こう。
秀吉さんの優しさを台無しにしてしまったんだから。
深呼吸をし、情けない顔を引き締めて部屋を後にする。
廊下で三成くんに会い、秀吉さんは御殿に居ると教えてもらった。
三成くんも御殿に用があると言っていたけれど、
城を出るのはもう少し先になると言われ、私は一足先に秀吉さんの御殿へ向かった。
高鳴る胸を撫で下ろし、いつも通りの笑顔を浮かべてー。