第27章 夜の姫はご乱心!?②(秀吉ルート)
そっと背後から愛しい身体を抱きすくめる。
「あっ」
ビクっと肩を寄せた迦羅は、それ以上抵抗することなく俺の腕に包まれている。
「秀吉さん…?」
「いいから、このまま」
今日は俺もだいぶ呑んだ。
今頃になって、迦羅に触れて、酔いが回ってきたようだ。
「酒のせいにするなんてな…」
可笑しくなって独り言のように呟くと、その吐息が耳にかかってか、迦羅は腕の中で身じろいだ。
その瞬間、俺が手にしたままだった水筒から水が溢れ、迦羅にかかってしまった。
「あっ!」
冷たさに驚いて声を上げた迦羅にハッとして、身体を振り向かせる。
「悪い、大丈夫か!?」
視線を落とした胸元は、濡れて薄い生地を透かしている。
透けた襦袢から浮き上がる迦羅の形のいい膨らみと突起から目が離せなくなった。
「秀吉さん…あんまり見ないでっ!」
恥ずかしがって胸元を覆うようにする手をやんわりと制し、ゆっくりと壁際まで追い詰める。
俺自身、自分が何をやっているか分からなかった。
迦羅には優しくしたい。
迦羅を大事にしたい。
そんな気持ちとは別の何かが抑えきれなくなったようだ。
追い詰められた迦羅は、酒を呑んだ時とは比べ物にならない程に頬を染め上げている。
「秀吉さん、酔ってるの?」
「…そうだな」
驚くほど冷静に言葉を返し、目の前の愛しい人に優しく口付けた。
しかし、次第に早くなっていく鼓動に従うように、口付けはどんどん深くなっていく。
「ん、っはぁ」
乱れた呼吸を聞きながら、離した唇を下へ滑らせ首筋を舐める。
ほのかに甘い味がする。
熱のこもった手で柔らかな胸を揉みしだけば、また甘い吐息が漏れ聞こえてきて…
「んんっ…あっ、あ」
優しい言葉をかけてやる余裕もなくなっていた。