第23章 何度でも君に(伊達政宗/甘め)
今日は天気も良く、政宗が何処かへ連れて行ってくれると言う。
久しぶりの二人きりの外出にわくわくしながら、台所で後片付けをしていた。
何処に連れて行ってくれるんだろう?
あ、でも政宗と一緒なら何処だって嬉しい。
そうだ!
この間新しく縫った着物を着ていこうかな。
そんなことを考えながらお皿を拭いていると、突然背後からふわりと抱きしめられた。
「わっ…!!」
驚いた衝撃に危うくお皿を落とすところだった。
「まだか」
私の肩に顎を乗せて手元を見下ろす政宗に、心臓がドクドクとうるさく騒ぐ。
「も、もうすぐだから待って!」
なるべく平静を装ってみるものの、密着した身体に熱がこもって、それが政宗にも伝わってしまう。
頬に首筋にうなじに、政宗はわざとらしく音を立てながら唇を落としていく。
甘い刺激にピクリと身体が反応してしまう。
「ま、政宗…」
「気にせず続けろよ」
お腹に回されていた手が次第に上がってきて、着物越しに私の胸元を撫でている。
「んっ、やぁ…」
んもう!わざとやってるんだから!
「片付けが終わらないでしょう?」
首を回し、キッと政宗を睨みつけてみたけど、何の意味もなさなかった。
振り向いた唇に、政宗の唇が重なって息も出来なくなる。
矢継に絡ませられる舌が神経を撫でるように、身体中が敏感になってしまう。
恥ずかしいのに…やめてほしくない…。
ようやく離された唇から漏れるお互いの吐息はまだ絡みあっている。
息を乱した政宗は、思いのほか色っぽい目をしていた。
「…悪い。お前があんまり可愛いから」
「そんな言い訳、ずるい…」
ふっと微笑んだ政宗は、名残惜しいようにもう一度額に唇を落とすと、抱いていた腕を解いた。
「このままだと出かけられねーからな」
早く支度しようぜと、片付けが終わらぬまま私の手を引いて台所を出た。