• テキストサイズ

【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第2章 棘のある病(徳川家康/微甘)


迦羅が政宗さんの所へ行くと言って、あれからどの位経っただろう。



部屋で三成と書物に目を通しているが、何だか気が気でない。

でも、帰ってきたからと言って、わざわざ俺に報告に来るわけでもないし、もう部屋に居るかもしれない。


ふとそんな事を思い立ち上がる。

三成は書物に夢中だし、少し様子を見に行ってみよう。



迦羅の部屋の前に来たが、灯りはない。
やはりまだ帰っていないのか…。
念のため声をかけてみたが返事はなかった。


何だかもやもやした嫌な気持ちが胸に広がる。

一旦三成の所へ戻ると、三成が書物から目をあげた。


「迦羅様はまだ戻られないのですか?」


珍しく察しが良く、心配そうな顔をしている。
…俺だって


あんなに面倒だと思っていたのに
俺には関係ないと思っていたのに
今では姿が見えないと心配で堪らない。


「私が様子を見に行きましょう」

「余計なお世話」

心配する三成をそう切り捨て、俺は踵を返し部屋を出た。



一応秀吉さんに迦羅のことを話し、政宗さんの御殿へ行ってみることを告げた。

「そうか、頼んだぞ」

秀吉さんもたいそう心配な様子だ。


それは迦羅がただ女の子だからってわけじゃない。
あの子が本当に皆に愛されているからなんだ。

今までそれがわからなかったわけじゃない。
きっと俺は…

そうやって皆の心を明るくして…あったかくして…
そして皆に愛されてる迦羅が、俺だけを見てくれないことに拗ねていたんだ。


押し込めていた気持ちが次第に溢れてきて
今度顔を見たら、もっと素直になってみようと強く思い城門を出た。



/ 509ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp