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【イケメン戦国】✿ 永遠の恋〜華〜 ✿

第17章 絡まる絲(真田幸村/甘め)


信玄様と迦羅と共に広間へ入る。

謙信様を始め、佐助に、多くの家臣達も集まっていた。


腰を下ろすと、迦羅は何を臆することもなく挨拶する。
「安土より参りました。今日からこちらでお世話になります」
深々と頭を下げる迦羅を、謙信様がじっと見つめる。

まさかいつも通り刀でも向けるんじゃねーかとヒヤヒヤする。

ところが、
「よく来た。かしこまるな」
ふっと表情を崩し、すんなりと受け入れる。
安心したが、何か気味が悪い。
「お前の部屋は用意してある。好きに使え」
「はい、ありがとうございます」

女嫌いの謙信様も、迦羅が相手だと何か違うな。

それから迦羅は、家臣達のほうに向き直り、
「迦羅と申します。どうぞ宜しくお願いします」
丁寧に挨拶する。
家臣達も一同に頭を下げる。

「噂通り、可愛らしい姫様だ」
「何としっかりしておる」


謙信様だけでなく、最早城の者が皆、迦羅を受け入れている。本人に自覚はなさそうだが、こうやって迦羅は自然と人の心に溶け込んでいくんだな。

「迦羅さん、久しぶりだね。元気そうで何より」
「うん、佐助くんも」

佐助も喜んでるみたいだし、やっぱ迦羅をこっちに呼んで正解だったな。
「おい、城を案内してやれ」
謙信様に言われて、俺と迦羅は広間を後にする。



「はぁぁー、良かったぁ」
広間から少し離れると、迦羅が気の抜けた声を出す。
「何だよ急に」
「だって、もしかしたら謙信様に斬りかかられるかと思ってたから」
先程の毅然とした態度の中にも、不安はあったらしい。
「実は俺もヒヤヒヤしてたんだ」
そう言うと二人で笑った。


一通り城内を案内し、最後に迦羅の部屋へ行く。
襖を開けると、何とも煌びやかなものだった。
「これ、立派過ぎない?」
俺も今初めて見たけど、これは信玄様の趣味だな。
どうせ、君のために揃えたんだ、とか言うんだろ。

すると背後から信玄様がやって来た。
「気に入ってもらえたかな、姫」
「あ、はい。でも何だか勿体無いです」
「そんなことはない。君のために揃えたんだ」

はい出た。
意味もなくキラキラすんのやめろよ。

「さて、お茶でもしようか」





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