第2章 キノコパニック(ゾロ)
ユナを見るなりルフィの目が肉に変わり腕をグルグル回し始めた。
「今度は逃がさねェぞ!ゴムゴムのォピストル!」
そう言いながらユナ目掛けて腕を飛ばす。
『…っ!』
「な⁉︎」
ユナは横に飛び退いてルフィの攻撃を躱す、元いた場所にはルフィの拳が砂にめり込んでいた。
「おいルフィ!てめェ何考えてンだ!」
ゾロがルフィに怒鳴る。それもそのはず状況を把握していない者にとっては、船長が仲間を攻撃するというあり得ない光景なのだから。
『ゾロちが…っ、ルフィは毒キノコで……っ!』
状況を説明しようにも間髪入れずルフィが攻撃を仕掛けてくるものだから上手く出来ない。それでもゾロは大体を把握したらしくユナを庇うようにしてルフィの前に立ちはだかった。
『ゾロ…?』
「要はウソップ達がそのキノコを採ってくるまでルフィを足止めしとけばいいンだろ?」
丁度身体を動かしたかったところだと不敵な笑みを浮かべてゾロはルフィを見据える。
「おいゾロ!邪魔すんな‼︎そこどけ!」
「どいて欲しかったらおれを倒すンだな…」
「いくらゾロでもおれの獲物の横取りは許さねェぞ‼︎」
「はっ…ホントにユナが獲物に見えてンのかよ…船長ともあろォもンがクルー襲ってンじゃァせわねェな」
二人の言い争いにハラハラしながらも座り込んでいたユナは立ち上がろうと砂浜に手をつく…が。
『…うっ』
腕に激痛が走った、恐らくは先程のルフィの攻撃を防いだ時に痛めたのだろう。一瞬蹲るユナをルフィは見逃さなかった、今がチャンスとばかりに腕を飛ばす。
「にく〜〜!」
『…っ!』
「──だから!」
ゴォンッと重たく鈍い音と共に砂塵が舞う。
「こいつを捕まえてェならおれを倒してからだ」
ユナに背を向け刀でルフィの拳を防ぎながらゾロは吐き捨てる。攻撃を防がれたルフィは腕を戻すとゾロを睨み付けた、どうやらターゲットを変えたらしくその視線を受けゾロもルフィを睨み返す。