第2章 キノコパニック(ゾロ)
「うお、ビックリした……大丈夫か?」
いきなり降ってきた言葉にユナは視線を上げる…、そこにいたのは腹巻に三本の刀を差し片耳に三個のピアスをしている仲間の一人、ゾロだった。
『ゴホッ…ゾロ…っ、な…んで……』
確かゾロは島に着くなり船の近くから絶対に離れるなとナミにキツく言われていたはずだ、一味に入って日が浅いユナはその意味が分からなかったが。
「それはコッチのセリフだ、ちょっと目を離した隙におめェらがどっか行くから仕方なく探しに来たンだろォが」
ん…?ゾロの言葉にユナは一瞬耳を疑う。
「メリー号も見当たらねェし…まったく…」
尚もブツブツ言うゾロにユナは呆気に取られる、ココはメリー号とは真逆の砂浜だ…先程のことが聞き間違いじゃなければゾロはかなりの方向音痴でその上自覚がない事になる。
上陸した時ナミがゾロにキツく言い聞かせていた意味が分かった気がした。
「…それでおめェは何してンだ?」
ゾロのその一言でユナはハッとする、今はそれどころじゃない事に。
『実はルフィが──…』
「肉〜‼︎どこだ〜〜‼︎」
今の状況を説明しようとした矢先、森の中からルフィの雄叫びが聞こえきた。その声に振り向けば森からルフィが姿を見せる。
「ん?…なンだルフィもいたのか」
「…んお?ゾロじゃねェか…こんなトコで何してンだ?」
「それはこっちのセリフだ、おめェらがどっか行くから…」
ゾロと話すルフィを見る限りいつもと変わらない様子にもしかして毒キノコの効力が切れたのかと期待するが、それはルフィと目が合った瞬間に崩折れた。
「…!肉‼︎」
「は?何言ってンだルフィ?」
ゾロが怪訝に眉を寄せる。