第3章 プレゼント(サンジ)
「ユナちゃん酔って寝ちゃったんだよ…さっきまでチョッパーもいたけどルフィのヤツに連れられて外で宴会してるよ」
サンジの言葉にユナは記憶を手繰り寄せる…確かにお酒を飲んだ記憶はあるがその後の記憶が一切ない。うーんと唸りながらユナがテーブルへと移動するとサンジが電気をつけるか聞いてきた。
もしかして自分が寝ていたから電気をつけてなかったのか…本当にサンジは優しいなと思いながらユナは首を横に振る。
電気が無くとも月明かりが差し込んでいたので困らない程度には明るかった。
『ねェサンジ、寝てたっていつから? お酒飲んですぐ?』
「え……、もしかして覚えてないの?」
『うーん…残念ながら…』
椅子に座り頭を悩ますユナを見てサンジは暫し呆然とした、市場での出来事を一切覚えていないのか…ユナの意外な一面を見れた嬉しさの反面記憶が無いのをどこか残念に思う。
「…そうだな、飲んですぐだったよ。あ、水飲むかい?」
『えぇ、貰うわ』
子供扱いされる事を嫌ってるユナに態々言う必要も無いだろうとサンジは昼間の事は黙っておく事にした。
「はいどうぞ」
コトっと水が入ったコップがユナの前に置かれる。
『ありがと…──あれ、これどうしたの?』
テーブルにあった小瓶を見つけるとユナは徐にそれを手に取った。
「あァ…それはちょっと貰ったのさ」
『ふーん、誰から貰ったの?』
何の気なしに聞けばサンジは少しの間を置いてから「心優しいお姫様からかな」と答えた。
「でも何でそれを選んでくれたのかは聞きそびれちゃってね…」
完全に酔っていた時の事を忘れているユナに今更聞いても仕方がないかと諦めていたサンジだったが、ユナの次の言葉に顔を上げた。
『うーん、でも何となくなら私分かるかも』
「え……?」
『ほら見て』