第3章 プレゼント(サンジ)
メリー号に到着すればまず初めにルフィのお腹の音が鳴り響いた。
「サンジィ〜、メシまだかァ〜〜腹減ったぞォ〜〜…」
「サンジ君おかえり、いい食材あった?」
「いや、それがちょっと買えなくてさ…」
「あらそうなの? …ってあァー、もしかしてユナが原因?」
サンジに背負われて寝ているユナに気付いたナミが思うところがあったのか、そう聞けばサンジが少し驚いている様だった。それを見たナミはやっぱりと額に手を当てた。
「…どうやらロビンの感が当たってたようね」
「ロビンちゃんの…?」
話がみえないサンジにナミが説明する、昼間の酒の試飲で様子がおかしかったユナはもしかしたら酔ってるんじゃないかとロビンが言っていたのだと。
酔っ払っていた…その言葉を聞いてサンジは全てに納得がいった。ユナちゃんの言動が子供っぽかったのは酔っ払っていたからなのか。
「…とりあえずユナちゃんを寝かせてくるよ、そろそろ飯作らねェとルフィがいい加減うるせェからな」
「それもそうね…」
今尚腹減っただの飯はまだかだのルフィは騒いでいる…それもそのはず、いつの間にか陽は沈み空は茜色に染まっていたのだ。
サンジはチョッパーを呼ぶとそのまま一緒にダイニングへと入って行く、ベッドにユナを寝かせてチョッパーに後を任せると夕飯の準備を始めた。
──……
「……ん…」
微かなガラスの擦れる音でユナの意識は浮上する、薄暗い中ぼんやりと視界に入ったのはよく知った天井だった。どうして自分がここに居るのか…考えながらもユナは体を起こす。
ユナがいたのはダイニングに置かれているベッドの上だった。
「あ、目が覚めたかいユナちゃん」
声がした方を振り向けば、薄暗い中電気もつけずに食器の片付けをしているサンジがいた。
「気分はどう? 気持ち悪くない?」
『えーと……』
まだ状況の把握が出来てないユナは返答に困る、それを察したサンジは簡単に説明してくれた。