第3章 プレゼント(サンジ)
「まぁまぁナミさん…マリモの肩を持つ訳じゃねェが、おれも飲んでみてェな。酒に合う料理を考えてェ」
「たまにはいいじゃねェかナミ」
サンジとルフィも声を上げる。ルフィはともかく船のコックであるサンジにそう言われては仕方がない、ナミは「特別よ」とお酒の試飲を許可した。
『そういやおじさんが”絶品”だって言ってたわ』
「ほぅ…そりゃ楽しみだな」
「確かにそれは楽しみね」
ユナが思い出した様に言えばゾロが待ち切れないとばかりに手にジョッキを持ち、その隣でロビンも”絶品”と言うお酒に興味を持つ。
「それじゃァ…絶品酒にかんぱーい!」
『「カンパーイ‼︎」』
みんなそれぞれがお酒が入ったジョッキを手にしたところで、ルフィが音頭をとると後に続いてみんなの声が重なった。
「んめェ〜〜!」
『わぁ…美味しい…』
「へェ…確かにうめェな」
「ホントね…美味しいわァ…!」
「…凄く深い味わいね」
「確かにおれでも分かるウマさだな…」
一味はそれぞれお酒に舌鼓を打つ、さすが絶品と言われるだけの事はある。
お酒の試飲をしたところで、何か閃いたのかサンジが再び酒に合う食材を探してくると踵を返し船から降りる。それを見たユナはジョッキに残ったお酒を一気飲みするとサンジの後を追った。
『まってサンジでかけるの? わたしもいくぅー』
若干頬を染めながらユナもふわりと船から舞い降りる、呼び止められたサンジは特に断る理由も無いのでユナが降りてくるのを待つと、再び一緒に市場へと向かうのだった。
その様子を見ていたナミがポツリと呟く。
「…ねぇ、何だかユナの様子おかしくなかった?」
「そうかァ?別にいつもと変わらなかったと思うぞ?」
「でも何か違和感があったのよ…」
「ナミの気のせいじゃねェのかァ?」
ナミの言葉にルフィもウソップも首を傾げる、二人の言う通り気のせいなのだろかと考えれば何かを思案するかの様にロビンが口を挟む。
「…もしかしたらあの子…酔ってたりして」
「……え…」
「いやいや、まさかそんな事はないだろ〜」
「例えばの話よ例えばの、ね」
ないないと手を振りながらウソップが否定すれば、ロビンは何処か楽しげにサンジ達が消えて行った方を見ていた。