第2章 キノコパニック(ゾロ)
「おいおい、一体なにがどーなってんだ⁉︎」
「分かんねェけど…それよりウソップ!ユナは⁉︎…ユナはどこだ⁉︎」
『おーい、ウソップ、チョッパー』
聞き覚えのある声に二人は振り向くと丁度ユナが空から舞い降りて来た。
「良かった、ユナ無事だったんだな」
『えぇ、何とか…ゾロに助けて貰ったから』
ユナは二人に今までの経緯を話した。ウサギダケが見つかった今、もうゾロが戦う必要は無い、大怪我になる前に戦いを止めなければ。
そう言う事ならと、ウソップはゾロに呼び掛ける──。
「おーい!ゾロー‼︎解毒ダケは見つかったぞー、だから戦いを止めてくれー!」
ウソップの声は聞こえているのだろう、ゾロが一瞬こちらに視線を送るがすぐさまルフィに向き直る。
「………」
ゾロの鋭い視線を受けてウソップが
「…まさかとは思うけどよ……」
次いでユナが
『……多分私もウソップとおんなじ事思ってる』
最後にチョッパーが
「おれ…あんな怖いゾロ初めて見た…」
明らかに先程より激しくなっている戦いに3人は呆然としながらも
マジになってますやん!
と心の中で突っ込んだのだった。
「と、とりあえずルフィにコレを食わせねェと…!」
「だな…でもどーやって…」
ルフィもゾロも戦いを止める気配がない、どちらかが負けるまで待つにしてもいつ決着がつくか分からないし、何より大怪我を負い兼ねない…何とかしてルフィにキノコを食べさせられないかとウソップとチョッパーは唸る。
『…はいっ、私に良い考えがあります』
手をピシッと上げて主張するユナにウソップが「なんだ言ってみろ」と続きを促す。
『あのね──…』
だがユナの提案を聞いた二人はすぐさま反対する。
「ダメだ…危険すぎる、失敗したらどーすんだよ⁉︎」
「そうだ相手はルフィだぞ!ただの怪我じゃ済まねェかも知れねェぞ!」
それは却下だと言う二人にユナは事もなげに続ける。
『大丈夫よ問題ないわ…ウソップの狙撃の腕信じてるもの、それにもし失敗したとしてもココには名医がいるから何も心配いらないじゃない』
ね!っと笑顔で言うユナを見てウソップもチョッパーも照れ臭さを隠せない。