第1章 知らない世界と俺と周りと
気がついたら俺は手を伸ばしてた
つい今まで考えてたことが真っ白くなって溶けていく感覚
こんなのは初めてで、なんだか泣けてきた
さむくて、さびしくて、つめたくて、おそろしい
涙が出てきたところで周りに人がいるのに気付いた
「ダメだよジューゴくん!目をこすったらバイキンが入っちゃうって先生言ってたよ!」
「おい、大丈夫かよジューゴ?嫌な夢でも見たのか?」
「どうしたんだよジューゴ、うなされてたから心配したぜ」
急に頭がクリアになって、でも俺は夢にまだ居るんじゃないかと思った
だって俺は“ジューゴ”じゃないのに
なのに俺の周りに居るこの人達は俺に向かって話しかけてくる
ジューゴ、ジューゴ、ジューゴ。
やめて、俺は“ジューゴ”じゃない
あなたたちを知らない
あれ、じゃあ、
「俺は なんだ?
わからない、思い出せない、俺は、だれだ、俺は」
「じゅ、ジューゴ?」
「ジューゴじゃない!!俺は、っア、おれ、っは…」
オレハ ナンダ?
いきができない
「ジューゴ!!!」