第1章 夢の始まり
この子は日にちを間違えているのか?
それとも…嘘なのか。
「えっ…。そんな早いの…?寂しい…。紫乃ともっと一緒にいたかったなぁ。」
どうやら、私が苦手なあの子は紫乃というらしい。
「本当だよ。っていうかさ、00のオーディションって何で行くの?」
それに対して紫乃はこう答えた。
「えー?確か秋葉星までは自分で行くんだったよぉ」
……これは完璧嘘。
「やっぱり紫乃すごぉい!」
「えへへ。そうかなぁ?」
ちょっとイライラしてきた。
00を使って自分が可愛いアピールをしたいのだろう。
「00のオーディションなんか、すぐ受かるよ♪」
と、紫乃が言った。
─プチ
自分のなかで、何かが切れた音がした。