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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第3章 従順


「……あんまり酷なものにはしないでよね」

アイリーンはつまんだ花びらをビンの中に戻すとセバスチャンに下がるように言った。そして一気にグラスの中を飲み干すと立ち上がった。

「バスタオルをご用意しております。こちらへ」

セバスチャンが#NAME1の手からグラスを受け取るとワゴンの上に置いてバスタオルを両手に広げる。
バスマットの上に立ったアイリーンの腕を軽く持ち上げふわふわのバスタオルをあてていく。

「ねえ」

「はい」

「あれはまたなるの?」

アイリーンの腰を拭いていた手が急にピタリと止まり、セバスチャンが顔をあげる。

「悪魔の飢えを本当に満たせるのは人間の魂だけです。お嬢様のおっしゃられるあれは一時的な措置でございます」

それだけ話終えたセバスチャンは再び手を動かし始めた。
アイリーンもそれ以上はなにも聞かないままセバスチャンが自分の体を拭き終わるのを待っている。そしてセバスチャンがアイリーンの足裏を拭き終わったところでアイリーンが白のネグリジェに腕を通した。

「それとも…」

ネグリジェを着終わったところでアイリーンの腰をセバスチャンが抱えてベッドへと連れ込み、押し倒す。
セバスチャンは目元のレースをとり、ベッドの下へと落とした。

「ちょっと待って、なにしてくれてるのよ」

アイリーンは自分の足に何かが這うようなこそばゆさを覚えて身をよじる。でも手首はセバスチャンに捕まっているために振りほどけない。

「今、また耐えられないと言えばもう一度して下さるんですか?」

吐息たっぷりに放たれた言葉がアイリーンの耳を毒のように駆け抜けていく。

「違う…そういう意味じゃなくて…んっ」

唇を強引にも奪われ舌が中に入ってくる。唾液が互いの口の中で混ざりあいいやらしい水音を立てている。溢れた唾液はアイリーンの顎を伝い喉へと滑る。一度、舌を軽く吸われれば口の中が甘い痺れに襲われてしまう。

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