• テキストサイズ

【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第3章 従順


エリはトランプをシャッフルしながらなんの罰ゲームにするかを話していた。

「じゃあ僕が勝ったら今日の夜は添い寝してくれないかな?」

「私が勝ったら帰ってね」

アイリーンと自分の前に交互にトランプを配る。

「では、私が勝ったらお屋敷に戻ったときに1つなにかご褒美を下さいね」

「おやセバスチャンじゃないか」

セバスチャンがアイリーンの横に立つと2人から同じ枚数分だけトランプを取る。

「ふん、いいわよ。で、なんの勝負する?」

「ここは単純にババ抜きでどうでしょうか?」

「いいね。じゃあアイリーンスタートで始めよう」

「了解」

アイリーンがセバスチャンからトランプを1枚取る。揃ったものが無かったのか無表情のまま手札に加える。

「失礼します」

今度はセバスチャンがエリからトランプを取る。すると自分の手札から1枚とり、エリからもらったトランプと一緒に机の中央に置く。

「セバスチャンは運があるね。一歩リードじゃないか」

余裕な笑みをしたエリはアイリーンからトランプを取る。しかしその余裕の笑みは一瞬消える。

ーえ?

首をかしげたアイリーンはセバスチャンの手札からトランプを1枚取る。ピクリと眉毛が動く。

「おや、お嬢様どうされましたか?」

してやったりの顔をしたセバスチャンが腰をかがめてアイリーンを見下ろす。
/ 221ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp