第2章 犬
「疲れただよ〜」
メイリンは厨房の隅にある丸椅子に座る。
「は?!おまえ、食器出して磨いてただけじゃねえか!俺はな、仕込みを任されてるんだぞ!」
バルドが包丁を持って、鶏肉を切る。あまりにも乱雑な切り方にそこらへんには肉片が飛び散っていた。
「そういえば、ハーブを取りに行ったフィニ、遅いですだ」
「たしかに」
「ワタシ、見てくるだよ」
メイリンは丸椅子から立ち上がり、厨房を出て行く。そしてハーブ園がある庭へと出て行こうとすると玄関からフィニの声が聞こえた。
「ダメです!あなた誰ですか?」
「フィニー、どうしたんですだ?」
玄関にメイリンが駆け寄るとフィニの近くに女の人が立っていた。
太陽に照らされて輝きを増す金髪に白い陶器のような肌。綺麗な海を連想させるような深い青の瞳。唇は桃のような優しい淡いピンクをしており、どこからどう見ても美人だ。
「この人が屋敷に入れてくれって言うんです!」
「だから、私はアイリーンの友人のミア・ヘンリーって言うの!早く中に入れて!」
静かな美人かと思いきや案外わーわー騒ぐそのギャップにメイリンは固まる。
「ん?あなた…意外におっぱいあるわね」
ミアはフィニの防御をくぐり抜けて屋敷に入るとメイリンの胸を鷲掴みにする。
「あああああああ〜!ちっ、痴漢ですだー!」
「失礼ね、痴漢なんかじゃないわ。はあ〜、おっぱい…」
メイリンが嫌がり、抵抗するがそれ以上にミアの方が力が強くされるがままにメイリンの胸は揉まれる。
「どうしたの、騒がしいわね」
騒ぎを聞きつけて中央階段を降りてくるアイリーン。
「アイリーン!!いたのね!」
ミアはメイリンの胸から手を離すとアイリーンのいる中央階段まで走ってくる。ロングドレスを着ていることを忘れさせるくらいの速度で中央階段まで辿りつくと階段を登ってくる。
「ミア?!なんで来てるの?」
「アイリーンのおっぱい揉みたくなっちゃって♡」
「はあ?!きも!帰って!」
そうこうしているうちにミアはアイリーンとの段差あと3段まで上っていた。