第11章 Who is it that I need?
傍に控えていた老人がぺこりとお辞儀をして俺の目の前に現れる。
これで…終わりなのか?
「待て!せめて、アイリーンに会わせてくれ!」
セバスチャンはドアを閉める動きをぴたりと止めて、またあの笑みを浮かべた。
「では、さようなら」
全身の血が一気に沸騰していく。
何故だ何故だ何故だ!!!
「俺は…諦めないからな!!彼女にそう伝えておけ!!」
パタン、扉は静かに閉められた。
俺と彼女を引き裂くものを許さない。
こうなったら何が何でも手に入れてやる。
愛する者を守るために。