第11章 Who is it that I need?
暗闇でよく分からなかったが、跡は残るだろう。
「ああっ…そこ…」
セバスチャンの手が太ももの付け根を撫でていたかと思えば、弱い部分を刺激してくる。
「まだ濡れていらっしゃいますね、あの男のはそんなに良かったんですか?」
一晩に2人と夜を過ごすなんて馬鹿げている。
普通じゃない。
でも、私は元から普通じゃない。
「…私は貴方しか知らないから分からないわ」
セバスチャンの動きが止まった。
「ふふ…くく…お嬢様…本当に貴女という人は」
その後のことははっきり覚えている。
ずるりずるりと深い甘い波に呑み込まれていった。
頭の先から足の先まで染まった。
私は、セバスチャンのことが好きだ。
悪魔で執事のセバスチャンが好きなのだ。
レイの指で足りなかったものもセバスチャンなら満たしてくれる。いや、セバスチャンじゃないと満たされない。
もう、戻れない。
いずれ喰われてしまうのだから、今は味わっておけばいい。
貴方のことを好きになった愚かな私を見ていればいい。
貴方から逃げられないのは分かったから。
嗚呼
また
しずんでいく