第11章 Who is it that I need?
私はそう言ってセバスチャンの手を頬に寄せた。
セバスチャンは太ももを撫でていた手を止めて、腰の方に移した。
「ああ…お嬢様、私はこれほどまでに喜びを感じたことはありません…」
セバスチャンが恍惚とした息をもらす。
私はその息が耳をかすめていったせいで、肩をビクつかせた。
「お仕置きをするつもりでしたが、お嬢様はずるいですね」
「んっ」
唇が唐突に重ねられた。
舌が入ってくる。私はそっとセバスチャンの背中に腕を回した。
いつの間にか対面する形でセバスチャンの膝の上に座っていた。
「さあ、お嬢様?私の名を呼んで」
ネグリジェがだんだんとまくりあげられていき、肌は少し寒くて鳥肌が立っているのに、気分は高揚してきている。
「セバスチャン…セバスチャン…」
名前を口にする度に、胸が高鳴る。
セバスチャンは目をこれほどかと言うくらいに赤くして私を見下げている。
「アイリーン」
耳元で熱っぽく私の名前を呼ばれる。
私を誠実に愛してくれる人が視界に入った。
ごめんなさい。
あなたは悪くないのよ。
私は強くセバスチャンを抱きしめると、首筋にキスをして、きつく吸い上げる。