第11章 Who is it that I need?
「ああ…」
私は耳を澄ましている。
お嬢様の切なげに喘ぐ声に時折混じる男の吐息。
ーああ、なんと愚かなのでしょう
あなたはまだ気付かないのですね。
『ぁ…ん…レイっ…』
なんと腹立たしいのでしょうか。
お嬢様のあの唇から男の名前が淫らに発せられるのは。
私が呼ばれて、育てているというのに、勝手に摘まれては腹が立つ。
無意識に目が赤くなっているのがわかる。
その唇にキスをしたのも貴女を初めに抱いたのも全ては私が先。
「お仕置をしなくてはなりませんね」