第11章 Who is it that I need?
セバスチャンはずっと後ろで微笑ましそうな顔をして私たちを見ていた。
たまに、レイの説明に質問してみたりしてはいたが、ちょっかいとかはかけてこなかった。
「もうあんなに夕日が沈んでいたのね」
博物館を出てみると、ロンドンの町はすっかりオレンジ色に包まれていた。
「ふふ、私たち、子供みたいね」
私は腕をあげて、まだ繋いでいた輝を夕日にかざした。
影がのびる。
「…本当だな」
レイは優しく笑みを浮かべると私の手の甲にキスをした。
「楽しかった。また来よう」
「えぇ。もちろん」
博物館の階段を降りるとセバスチャンが馬車をとめていた。
「お待ちしておりました。屋敷まで戻りましょう」
ーこいつ、なんのつもり?
私はセバスチャンの静けさ具合に気味悪く感じていた。
レイにエスコートされて馬車にのり、私はレイの前に座ったが、セバスチャンはレイの横に座る。
ーなにが目的なの?