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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第10章 綺麗な白色


実際、ロンドンでは純真なシスターを狙った強姦は相次いでいる。
そのことを知っているマーガレットにとっては最悪な皮肉だっただろう。
教会に入ると講堂はいつもの雰囲気とは全く違っていた。
ジルがいつも説教をしている教卓はなく、聖母マリアのステンドグラスの前には何人もの黒マントを羽織った人が立っていた。
普段白バラを生けている花瓶には白バラではなく黒バラが生けられていた。
私たちは講堂の木製の長椅子に腰をかける。周りには丸々と太った身なりのいいおじさんに若い青年まで座っており、セバスチャンの言っていた通り女性の姿は見当たらない。

「セバスチャン。なにか感じる?」

「…鼻が曲がりそうなほどの血の香りがいたします。きっとあの黒マントを羽織っている方々は吸血鬼だと思われます」

「そんな…!陛下がおっしゃっていたことは本当だったの?」

「その可能性が非常に高いです。あの魔方陣がなによりの動かぬ証拠であったでしょう」

するとマーガレットが現れて黒マントを羽織った人たちの前に立つ。そして丁寧にお辞儀をすると周りから拍手が溢れた。

「定例会にご参加いただきありがとうございます。本日は…」

長い話には飽き飽きする。私はもう一度辺りを見渡すと見たことのある顔が1人いた。
それは女王陛下にも武器を取り引きしている有名な貴族だった。

ー武器商人がなんでこんなところに
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