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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第9章 牙


私たちはマーガレットの後ろについて、教会の裏側を案内してもらった。
ジルの説教を聞いている時には分からなかった真っ白の扉を開けるとその奥が廊下となっていた。
一番手前が食堂兼調理場。そしてその右側が雑務室で、ここでジルが仕事をしている。

「ここは書庫と倉庫になっています。なにか見たければ後ほど、鍵をしまっている部屋を案内しますので、そこで鍵をとってくださいね」

白は本当に大切な色なのだろう。どの扉も部屋の家具も全部白で統一されている。
必要最低限の色味はあるもののどこかさみしい。
しばらく廊下を歩くと階段にさしかかった。

「上は私たちが住む部屋です。今は3部屋しかありませんので、一部屋で共有となりますが、構いませんか?」

正直、こいつと一部屋は避けたい。私の心臓にも体にも悪いからだ。

「大丈夫です」

だがここで断るわけにもいかない。最後にジルとマーガレットの部屋を教えてもらい、私たちは自室に置いてある修道服を着てくるように促された。
真っ白の扉を開けて部屋に入ると意外と広めの部屋だった。真っ白なミニテーブルの上には一輪の白バラが飾られていた。
1人がけの机も白で徹底されている。部屋にあった奥の扉をあけるとバスルームもあり快適そうだ。
だが、私は1つ、ある問題に直面した。
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