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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第8章 変化


「嘘つかないで」

セバスチャンが私のネグリジェのボタンを外していく。その指になぜか意識してしまい、心臓が速く鼓動を打つ。

「嘘をつくなと命令されたのはお嬢様ではありませんか」

「そうだけど…お世辞もいらないわよ」

ネグリジェのボタンを全て外し終えてそれをするりと脱がされる。腰にコルセットを装着して紐をセバスチャンが思いっきり引っ張る。

「よいですか?美しさ、可愛らしさというものはその内面から溢れ出るものなのです。人間は外面だけで決めつけてしまうことが多いですが…その点を取って考えるとお嬢様は非常にお可愛らしい方ですよ」

コルセットの紐をしめおわり、今度はドロワーズなどのドレスの中に着る物を着させられて最後にゴールドシャンパン色のドレスに胸元の白の豪勢なフリルと黒のリボンのついたドレスを着た。
そして足をぬるま湯にひたしたタオルで拭き、黒のハイヒールを履いて化粧台へと座った。

「急に褒めてもなにも出てこないわよ」

急すぎて心臓に悪いことこの上ない。化粧台に肘をついて熱をはらんだ右と左のほおを両手で包み込んだ。後ろで目元のリボンをほどいたセバスチャンが私の髪をといでいる。
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