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【黒執事】壊れた貴女を看取るまで

第1章 一輪の花


アイリーンは図書室に逃げ込むように入った。
朝から何なんだあの執事は。
頰とでこに一回ずつキスをされて平常心を保てるわけがない。
アイリーンは本棚から本を一冊取るとパラパラとページをめくりはじめる。
報われない町娘と王子の恋。
細いしなやかな指がページをパラパラとめくっていく。
王子と町娘の女の子の出会いは王子が城下の視察へと訪れているときだ。王子は美しい町娘を見つけて城にこいと言うが、町娘はそれを断る

「『私なんかじゃあなた様とは一緒になれないんですもの』」

結局、王子の強引さに町娘は負けて城へと行ってしまうがそこからが苦難ばかりだった。
マナーと教養、ピアノなど王子の横にいるために奮闘する町娘。しかし王子の周りの人間がそれを許すわけがない。
生まれは城下のくせに、汚い、王子を誘惑するな
数え切れぬ罵詈雑言に町娘は耐えるが、我慢も限界になり町娘は自殺してしまう…。

「『身分なんて関係ない。僕が愛していたのは君だったのだから』…ならもっと頑張ればいいのに」

私だったら、私が王子なら周りを殺してでも消してでも町娘と結婚していただろう。
たとえチャペルを行う教会にある十字架が血に塗れようとも
欲しいものは手にする。
そして私があのとき欲しかったのはあの悪魔。
だから後悔なんてしてない。

ーちょっと最近、やらしすぎだけど…

その本を地面に落とすと新たな本を読み始めた。
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