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名探偵コナン/僕と俺の狭間で

第1章 芽生えた気持ち


「本気です、貴女の事が好きです。」
「そんな・・信じられません。」
「・・そうですよね、一回りも年の離れた男からこんな事を言われても迷惑」
「違います!」




信じられなかった、だって安室から見れば自分等子供で女性として見て貰えていたとは思ってもいなかったから、だからこそ気持ちを伝える勇気も希望も持てなくて、逃げていたのに・・




「私は・・私なんかが安室さんを好きになったら迷惑だと思っていたんです、だから・・会いに行くのも怖かった。」
「さん・・」
「でも、私もずっと好きでした。安室さんの優しいところもたまに見せてくれる意地悪な笑顔も皆大好きです。」




真っ赤になり気持ちを口にしてくれたがいとおしくて腕の中に閉じ込めていた。
驚きで体を硬直させるが可愛い・・
この子の純粋な綺麗な白を、染めたくはない。
この手で触れて汚したくはないと思う一方で、全てを奪ってしまいたいと思う自身の黒い感情に苦笑いを浮かべていた。




「僕のものになって頂けますか?」
「・・はい」




真実は告げられない
彼女をいとおしく思うからこそ、自分の正体を明かす事は出来ないと安室は密かに固く誓っていた。




「ところで明日はお暇ですか?」
「えっ、はい学校はお休みですので」
「では久しぶりにポアロに来て下さい。新作のサンドイッチを作ったので」
「本当ですか?是非伺います!ランチですか?」
「いいえ、出来れば朝にお昼で仕事を上がってしまいますので」
「分かりました、では8時に伺います。」
「はい、楽しみにお待ちしております。」




そんな微笑ましい会話を影で聞いている者がいた事に、二人は気付いていなかった。




「なぁに?盗み見なんて随分と暇なのね」
「フン、あいつの言動は信用ならねぇ・・だが、まさかこんなくだらん時間になるとはな、行くぞウォッカ」
「はい、姉さんではれいの件は頼みます。」
「分かっているわ」




ジンとウォッカが去るのを見届けたベルモットは、形の良い唇に指をそえると、抱き合い見つめ会う二人に向かい投げキッスを送り去っていった。
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