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名探偵コナン/僕と俺の狭間で

第1章 芽生えた気持ち


流れる風景を眺める余裕もないくらい、胸が締め付けられる




こんなにも誰かを好きになった事がなかったから
は安室からの質問に答える事もできず、車は静かに公園の駐車場に停車した




「少し散歩でもしませんか?」
「は、はい・・」
「シートベルト、取れますか?」
「大丈夫です!」




力一杯答えたに、安室は一瞬キョトンとしたものの、直ぐにお腹を抱えて笑いだすので、はシートベルトを取る手が止まってしまうと、安室に涙目を向ける




「…すみません、意識してくれているのでしょうけど、・・ククッ」
「あ・・安室さん?」
「余り、可愛い事しないで下さい。」
「!?」




柔かな笑みを浮かべて、なんて台詞を吐くのかとが赤面している横から、安室は手を滑らしストッパーを外してくれた




「はい、取れましたね」
「じ、自分で出来ると言いましたが!?」
「言いましたね」
「……安室さん」




これは絶対におちょくられているのだと確信したは、緊張も忘れ安室の手を取るなり運転席側に身をのり出すと、嫌でも体が密着してしまい今度は安室が狼狽えた




「私を子供だと思って、酷いです!先に行きますッ!」
「あっ、待って下さい!」




車から下りたは、安室の制止も無視して歩きだす

後ろからついてくる足音が聞こえるが、早歩きをする足を早めた時だった

安室に腕を掴まれ振り向かされると、焦った顔をした安室と目が合い驚いてしまった





「すみません、決してからかい半分で接したつもりはなかったんです、貴女の見せる恥じらう姿が見たくて・・つい」
「どうして、安室さんがそんな事を言うんですか・・」
「さん・・?」




俯き震える肩を見て安室が心配そうに顔を覗きこむと、涙目で睨み返された




「私に優しくしないで下さい!安室さんは誰にでも優しくて素敵だから、嫌なんです!」
「…僕は、優しいですか?」
「優しいじゃないですか、いつも私がお店に言って話しかけても嫌な顔一つしないし、悩みや相談も親身になっていつもいつも・・ッ」
「…貴女が、好きだからですよ。」
「好き・・ッ!て、誰がですか?」
「僕が」
「誰・・を?」
「さんを、ずっと好きでした。」

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