第2章 2 池袋
「!!!」
突然近くでとても大きな音がした。
その場にいる4人、そして周辺の歩行者が驚いて立ち止まり音のしたであろう方向を見ている。
頭に?を沢山浮かべながら慌てているとその方向から「おおおおおおお!!!」という男の大きい声が響いてきた。
すると歩行者は口々に「へいわじましずお、だ」と言い始めると「見に行こうぜ!」とその方向に向かうもの、「なーんだへいわじましずお、か」と再び歩き始めるもの、「へ、へいわじましずおーー!ひー!」と逃げ出すものもおりなんだか分からない状態だ。
「なんだ、アイツか」
そう帽子の男が呟くとこちらの男女は「ねー」といった様子である。
「あ、あのへいわじましずおって…?」
この場でこの状況が理解出来てないのが自分だけだとわかると思わず一成は聞く。
「ああ、平和島静雄。お前はよそ者っぽいから知らないのも無理ねぇがここいらじゃ色んな意味で有名だな」
なんだかよくわからないが帽子の男は呆れたように腕を組みながら話している。
「あいつはとにかくただの人間とは思えない、超人的な身体能力でな。そこら辺にある自販機とかガードレールとかひっぺがして投げる」
さらっと言われると一成は普通のトーンで「な、投げる」としか言えなかったが内心驚きである。
そして一つの答えにたどり着く。
「そ、その平和島静雄という方はもしかして能力者なのですか!?」
「「「「は???」」」」