第1章 いい加減。
歯を掃除してもらってる間、頭に柔らかいものが当たっている。これは、もしかして、
これオッパイじゃね。
そのことに気づいた俺は全神経を頭に集中させてオッパイの感触を堪能する。
「すっごい血ぃ出てるよー」
「ちゃんと歯ブラシで磨かないとー」
「あ、二口くんここすごい汚れてるよ?」
掃除しながら話しかける一二三さんはオッパイが当たっていることを気にしてない。
むしろ俺の口の中にしか興味ねぇのかよ。ってぐらい話しかけてくる。
一通り終わったら起き上がって口をゆすぐ。
「お疲れ様! 口の中どー?」
「・・・サッパリした」
マスクを下げて歯ブラシの仕方など説明してくれる一二三さんと目が合う。化粧は足し算で綺麗な人だと思っていたら何も浮かばなくなった。
んで妙にエロい一二三さん。
白衣ってやっぱエロいし、色っぽいヒトだ。
「親知らずの周りはちゃんと綺麗にしたから疼く感じは無くなると思うよ」
優しく笑うこの人はきっと人気なんだろーなって直感で思う。
「じゃあ、今日はこれで終わりね! お大事に」
エプロンを外して、またねって手を振っている一二三さんに会うために
俺は来週、右上の親知らずの経過観察で予約をした。