第2章 結局、
「じゃあ! 堅治くん!」
「・・・何スか?」
「1日付き合うんだから私の行きたいところ一箇所行ってもいいかな?」
名前を呼ばれて顔の口角が上がる。
やべぇな、作り笑顔じゃなくて自然に笑っている俺って気持ちわりぃ。
「どこ行きたいんスか?」
凛さんの行きたいとこってどこだ?
水族館? 遊園地? 意外と映画とかか?
てか今映画って何やってんだ?
デートの定番を一通り考えて期待して凛さんを見つめていると
「ビール工場行こう!!」
めっちゃキラキラした目で見てる。つか俺未成年だし、そこらへんわかってんのか?
「ビールの試飲とジュースの試飲もできるから丁度いいと思って!」
「マジかよ?」
「マジだよ! 工場見学だったら堅治くんも楽しめると思ったの」
「俺のため?」
んー! 一応お詫びだからねってケラケラ笑って車にエンジンをかけてコンビニから発進させる。
「凛さんってよく飲むんスか?」
「お酒好きなのー! 秋田の女だからねー」
へぇー、秋田美人っつー訳か。